みなし労働時間制とは

みなし労働時間制とは、実際の労働時間に関わらず、あらかじめ決められた労働時間を働いたものとみなす制度です。「裁量労働制」も、このみなし労働時間制の一つです。

労働基準法で定められている、みなし労働時間制には、「事業場外みなし労働時間制」、「専門業務型裁量労働制」、「企画業務型裁量労働制」の3つがあります。

一般に「みなし労働時間制」と言った場合には「事業場外みなし労働時間制」のことを指すケースが多く、「専門業務型裁量労働制」、「企画業務型裁量労働制」の2つは「裁量労働制」と呼ぶ場合が多いようです。

事業場外みなし労働時間制

1日の就業時間のうち社外で労働する場合で、労働時間の算定が困難な場合に、実際の社外での労働時間に関わらず所定労働時間を働いたものとみなす制度です。

営業スタッフや取材記者のように外で仕事をする時間の多い業務が該当します。

社外業務であってもリーダーを含むグループで行動している場合や携帯電話などで常時会社と連絡を取り合っている場合などは、「事業場外みなし労働時間制」が適用されないこともあります。

みなし労働の残業時間・残業代について

事業場外みなし労働時間制を導入している場合でも残業代が支払われるケースもあります。

社外での労働に関しては、どんなに働いても所定労働時間とみなされますが、社外での業務の後に会社に戻って終業時間以降、仕事をした場合は残業時間と認められ残業代の支払い対象になります。

専門業務型裁量労働制

専門的な仕事において、業務の時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある場合、実際の労働時間に関わらず、労使協定で定めた労働時間数を働いたものとみなす制度です。

専門業務型裁量労働制に該当する仕事として19の業務が労働基準法で定められています。プログラマーやシステムエンジニア、デザイナーなどが該当します。ゲーム業界やWeb業界でよく見られる制度です。

企画業務型裁量労働制

事業運営の企画、立案、調査及び分析の業務において、業務の時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある場合、実際の労働時間に関わらず、労使協定で定めた労働時間数を働いたものとみなす制度です。

2000年(平成12年)より施行された比較的新しい制度であり、専門業務型裁量労働制に比べると導入している企業は少ないようです。



サブコンテンツ