「20代歓迎」、「営業マン募集」はNG!意外と知らない求人募集の禁止表現

求人募集をする場合には、知らず知らずのうちに労働基準法などの各種法令の規定に違反してしまうことがあります。特に、年齢や性別の表記については法改正などもあったため、以前はOKであっても現在はNGでとなっているものがあるので注意が必要です。

ここでは、求人広告を出す場合に間違ってしまうことが多い「年齢制限」や「性別指定」の表現について解説します。

なお、ここでNGとしている表記については、ハローワークのような公的な機関を利用する場合だけでなく、民間の求人メディアを利用したり、自社のホームページ上で募集をかけたり、する場合にも適用されます。

年齢制限の表記

応募資格などで年齢を制限して募集することは禁止されています(雇用対策法の改正により2007年10月より施行)。

「18歳以上」や「35歳ぐらいまで」といった年齢を限定する表記は出来ません。

さらに「20代歓迎」といった表現は、年齢の限定はしていないものの、30歳以上の求職者の応募を妨げるおそれがあるため適当でないとされています。「年齢不問、20代歓迎」のように「年齢不問」を併記してもNGですね。

「学生歓迎」や「20代活躍中」という表現について

他に年齢に関する表記としては「学生歓迎」、「20代のスタッフが活躍中」といったものが考えられます。

「学生歓迎」という記載については年齢制限には当たらないため問題ありません。

一方、「20代のスタッフが活躍中」といった表現についてはグレーゾーンと言えます。「20代のスタッフが活躍中」という記載が会社の環境を表すためのものであればOKですが、年齢制限を行うためのものであれば適当でないとされます。

厚生労働省のサイトには、年齢制限禁止の義務化に係るQ&Aがありますが、この中に類似するものがあったので引用します。

Q1-6:年齢不問とした上で、「20代が主役の会社です」といった表現を記載することは問題ないでしょうか。

A: 「20代が主役の会社です」という表現は、20代の社員が多いことを表現しているとも解されますが、会社が20代を他の年齢層に比べて優先して募集しているとの誤解を求職者に生じさせるおそれがないように努めていただく必要があります。

なお、この年齢制限禁止にはいくつかの例外があります。定年の年齢を上限にする場合や、警備員のように就業に関して予め年齢制限がある職種の場合などがそれに当たります。詳しくは以下のページで解説しています。

⇒ [求人募集で年齢制限が出来る例外について]

性別を限定・指定した募集

「女性限定」や「男性のみ」のように性別を限定して求人を募集することは出来ません。

これは男女雇用機会均等法により

「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」

と定められていることによります。

「女性歓迎」、「男性向きの仕事」などの表現

性別を限定せずに「女性歓迎」、「男性向きの仕事」といった表現を用いることも禁止されています。他には、「男性優先」、「貴女」といった記載もNGです。

「営業マン」、「カメラマン」などの性別を限定する職種名での募集

職種の名称に性別を表す表現が含まれるものを使うことは出来ません。看護婦やスチュワーデスといった表現が禁止されていることは聞いたことがある人も多いと思いますが、営業マンやカメラマン、セールスレディといった日常で使われがちな名称も原則禁止です。

但し、「カメラマン募集(男女)」といった形で括弧書きで”男女”と付け加える方法や、「ウエイター・ウエイトレス募集」のように男性を表す職種と女性を表す職種を併記する方法は認められています。

性別を表す職種の例:

  • 看護婦
  • スチュワーデス
  • 営業マン
  • セールスレディ
  • カメラマン
  • ウエイターやウエイトレス
  • ベルボーイ

性別指定の例外について

なお、こちらも年齢制限の場合と同様に例外があります。「性別を指定した方が合理的であるとされる場合」や「ポジティブアクションを活用する場合」などがこれに当たります。

⇒ [求人募集で性別指定が出来る例外について]



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